承認欲求
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拍手の設計者
瀬川拓人が「クラップ」を立ち上げたのは、二十八歳のときだった。
社内コミュニケーションツールに搭載した「拍手ボタン」は、同僚の仕事にワンタップで称賛を送れるシンプルな機能だった。メールで礼を言うほど大げさでもなく、何もしないほど冷たくもない。ちょうどいい距離感の承認——それが瀬川の着想だった。
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映える会議室
高木翔太が中堅Web制作会社・クロスフィールドの広報チームに異動してきたのは、三十二歳の春だった。
前任の広報担当が突然退職し、後任として白羽の矢が立った。社長の柴田から「うちのSNSアカウント、フォロワー三千人止まりだろう。一万人にしてくれ」と言われたのが最初のミッションだった。
高木はま...
再生回数の向こう側
瀬戸内動画制作株式会社の会議室で、企画部長の村山は腕を組んでいた。目の前のモニターには、新人クリエイターの高橋が提出した動画企画書が映し出されている。
「これ、本気で言ってるのか」
高橋は二十四歳。半年前に中途入社してきた。前職は飲食チェーンの店員だったが、個人で動画投稿を始めて小さな成功を収め...
これでいい
人事部の会議室で、山崎理恵は自分のプレゼン資料を見つめていた。
三十四歳。入社十二年目。同期の中では出世が遅いほうだ。今回の社内公募制度で、念願だった新規事業開発室への異動を勝ち取りたい。そのための面接が、明後日に迫っていた。
「山崎さん、資料見せてもらっていいですか」
隣のデスクの後輩、高橋...