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「普通かな」
堀内賢太郎が株式会社ソラノを辞めたのは、入社七年目の秋だった。
送別会の席で、賢太郎はちょっといいスピーチをした。「七年間、本当にお世話になりました。あとはみなさんに託します」。穏やかな笑顔の裏で、彼は確信していた。——さあ、困るぞ。
賢太郎には自負があった。営業二課の業務改善提案、部内の勉...
伝え方の温度
製造業の中堅メーカー・丸栄精機の品質管理課に着任した新任課長の桐生和也は、着任早々、部下たちの仕事ぶりに頭を抱えていた。
前任の課長が「のびのびやらせる」方針だったこともあり、報告書の書式がバラバラ、検査手順の省略も散見される。桐生は前職で徹底した品質管理を実践してきた自負がある。このままでは取...