評価制度
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記録が証明したもの
田中誠は十二年間、同じやり方で部門を回してきた。朝九時、部屋の電気を一番に点ける。部下が順々に出勤してくる。互いに軽く会釈して、それぞれのデスクへ向かう。その光景こそが仕事の始まりだと、彼は長年信じていた。
開発部長として三十名を束ねるようになってからも、その信念は変わらなかった。チームとは同じ場...
その基準で、何を測っているのか
神谷良介は、採用選考委員会の資料を静かに閉じた。
「山田さん、出身大学を見ましたか。うちの基準には届かない」
総務部長の堀口が、老眼鏡ごしに言った。堀口はこの会社に三十年いる。帝国大卒、経営企画出身。自他ともに認める「うちの採用文化の守り手」だった。来年は定年が近い。自分がそれまで守り続けてきた...
自分だけの物差し
営業部の月次会議が終わると、会議室には重い沈黙が残った。売上ランキングがスクリーンに映し出され、上位三名には拍手が送られる。一方で、下位に名前が並んだ者たちは、足早に席を立っていく。
入社三年目の川島翔太は、自分の名前が下から四番目に表示されているのを見て、小さくため息をついた。
「また、あの位...